放置子

【No.3】毎日マイホームに来る放置子

放置子

◎前回の話はこちら

【No.2】毎日マイホームに来る放置子
◎前回の話はこちら 旦那の誘いを聞いたケンくんは躊躇いなく庭に入り込み、 当たり前のように食べものに手を伸ばした。 少し図々しいと感じたが、 まだ小学校低学年ほどにしか見えなかったし、 まあいいかとその場は...

ケンくんが来て娘は喜んだものの、
私はどこか釈然としない気持ちで二人の様子を見ていた。

娘に出したおやつの食べ残しを断りなく食べはじめたケンくんが、
悪びれもせず私にお代わりをねだる。




ケンくん
「ねえ、これもっとちょうだい」


「あ、うん……ちょっと待ってね」

戸棚にお菓子を取りに行きながら、
ケンくんの言葉を思い出していた。

”朝のうちにママにここに遊びに来ることは言ってあるから”

ケンくんママがそれに対して
「いいよ」
と言ったのなら、それは勝手すぎる。




我が家の都合なんて何も考えていないし、
そもそも学校から直で遊び来られても困ってしまう。

新しいお菓子を出した途端、
ケンくんはそれを当然のようにポケットに入れた。


「どうしてポケットに入れるの?」

そう尋ねた私に、
ケンくんは自慢げに言った。

ケンくん
「お母さんにお土産にするの!
 お母さん、お菓子大好きだから!」




嬉しそうにそう言われて、
注意する気がそがれてしまった。

お母さんが大好きな気持ちはわからなくもない。

でも、何だか胸がざわざわする。

この親子にはあまり関わりたくない。

この時、私は直感的にそう思っていた。

タイトルとURLをコピーしました