◎前回の話はこちら
【No.2】毎日マイホームに来る放置子
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旦那の誘いを聞いたケンくんは躊躇いなく庭に入り込み、
当たり前のように食べものに手を伸ばした。
少し図々しいと感じたが、
まだ小学校低学年ほどにしか見えなかったし、
まあいいかとその場は...
ケンくんが来て娘は喜んだものの、
私はどこか釈然としない気持ちで二人の様子を見ていた。
娘に出したおやつの食べ残しを断りなく食べはじめたケンくんが、
悪びれもせず私にお代わりをねだる。
ケンくん
「ねえ、これもっとちょうだい」
私
「あ、うん……ちょっと待ってね」
戸棚にお菓子を取りに行きながら、
ケンくんの言葉を思い出していた。
”朝のうちにママにここに遊びに来ることは言ってあるから”
ケンくんママがそれに対して
「いいよ」
と言ったのなら、それは勝手すぎる。
我が家の都合なんて何も考えていないし、
そもそも学校から直で遊び来られても困ってしまう。
新しいお菓子を出した途端、
ケンくんはそれを当然のようにポケットに入れた。
私
「どうしてポケットに入れるの?」
そう尋ねた私に、
ケンくんは自慢げに言った。
ケンくん
「お母さんにお土産にするの!
お母さん、お菓子大好きだから!」
嬉しそうにそう言われて、
注意する気がそがれてしまった。
お母さんが大好きな気持ちはわからなくもない。
でも、何だか胸がざわざわする。
この親子にはあまり関わりたくない。
この時、私は直感的にそう思っていた。